2003年12月21日
マサティート・フィエスタ
Gipsy Grooveの活動を通して今まで様々な出会いがあった。
あるメンバーの知り合いのツテで行われたイベントで、別のメンバーが人生を変えるほどの出会いに遭遇したこともある。
さかのぼる事2年前。夏の終わり頃だっただろうか、国立でのライブ後に恵比寿のイベントでライブを行うという、かなりのハードスケジュールの日があった。(詳しくは当時のレポートを参照)
各メンバー、当時は比較的自由度が高く、どんな時どんな場所へも足を運んだものだ。そしてそのころバンドに加入したばかりのMasatitoも例外ではなかった。
そのイベントの主催者の一人(シズカさん)がLuisの友人だったため演奏依頼を受けたという経緯がある。実は彼女が最近カホンを練習しているということをMasatitoに話したところ、興味を示し、結果的にイベントの間中2人は長々と談笑していたのを覚えている。
・・・まさか、それが今回の結婚につながるとはメンバーの誰も予想だにしなかったことだ。
本当に最近まで2人が結婚するとは知らされていなかったメンバー各位だが、その事実を知った後はとにかく祝福するのみである。
築地本願寺における結婚式の後に披露宴パーティーが行われたのだが、その会場でGGが演奏したのは言うまでもない。
来場する客をもてなす意味でジプシールンバを連発し、雰囲気を一気にGG色にしてしまう。
ある程度曲を演奏し、司会者の合図で「Volare」を演奏しはじめる。イントロを奏で、「ボ〜ラーレー!」と盛り上がるところで新郎新婦登場!非常にいいタイミングでドアが開き、煙幕とともに2人は姿を現した。
会場は盛大な拍手。GGも歌とギターで祝福する。
新郎新婦が席につくまで演奏しなくてはいけないため、通常より長く強引に「Volare」を演奏した。
曲を演奏し終わると再び大きな拍手が。今回の結婚パーティーはGGメンバーと深い関わりがあるので、いつも以上に喜びが大きいと思われる。
司会者の挨拶後、KGが乾杯の音頭をとる。こういう「宴会部長」的な役割が得意な彼は極めて大胆かつ流暢なあいさつとともに乾杯を行った。
その後は飲めや食えやの酒池肉林。新郎新婦共に音楽やダンス関係の友人が多いと見え、我々GGの他にもベリーダンスや着物フラメンコ、ソウルミュージックなどのパフォーマンスを見ることができた。
また、ギタリストのMario氏も今回はギターをパーカッションに持ち替え、友人等とともに演奏を行う。()
会場の貸切り時間が迫っていたため夜通しフィエスタとはいかなかったが、2人の門出を調子よく祝うことができ満足のいく一日となった。
お二人とも、末永くお幸せに・・・!!
投稿者 gipsygroove : 22:52 | コメント (0) | トラックバック
2003年12月14日
宮古島遠征 Part2
今回で2回目となるGGの宮古島遠征。前回(6月)はGGメンバー4人が参加したが、今回はメンバー7人+家族や関係者など含めて14人という大所帯での遠征となった。
今回は総じてハプニングが多かったような気がしたが、その一部始終を追ってみよう。
しょっぱなからハプニング
12月12日いよいよ出発当日。今回参加のメンバーはそれぞれ旅の支度をし、一路羽田空港へ向かった。
なにしろ朝早い便(7時半出発)なのでそれぞれの家を出るのもかなり早い時間となった。前日に東京までやってきたメンバー北関東代表PerryがLuisの自宅に宿泊し、当日はMario氏の車で羽田へ向かった。ギターや手荷物の他、スピーカーやアンプなどのPA機材も持っていかなくてはならなかったためMarioのいかついVOLVOが大活躍。
空港に到着したのは6時すぎだろうか。しばらくしてメンバー南関東代表のSayaが現れた。その意外な程の荷物の少なさぶりにしばし圧倒された。
その他のメンバーはまだ来ないようなので朝食にカレーなどを食していた。再び空港ロビーに戻ると既に今回参加のメンバー+関係者が全員集結したところだった。
ジプシールンバ特攻隊長のKikoは何と家族総出での参加。ずいぶんと巨大化した長男の斗仁衣乃(トニーノ)と今夏世に現れた次男の魅芸流(ミゲール)ももちろん参加。【断:名前はもちろんコードネーム。GGメンバーが勝手に呼んでる】将来の日本のジプシールンバ界を担う2人にとってはきっと刺激的な旅になるに違い無い。しかし、ちょっと元気がない。朝なので機嫌が悪いのであろうか。
メンバー西東京代表・Pacoは夫婦で参加。奥さんのYuriさんは最近、PacoはもとよりGGのアシスタント的存在になりつつある。前回の遠征に続いて2度目の参加となった。
そして最後にひょっこり登場したのはGG営業部のボーカルKG。実は第一の心配材料として、「彼がチケットを全て預かっている」ということがあった。出発前にメンバーどうしで連絡を取り合うのだが、決まって出る言葉が「ケイジさんちゃんとチケット持ってくるかなー?」というものだ。それほど彼の失念力はものすごい。
しかし事前に確認につぐ確認をした結果無事チケットも人数分持って来ており、事なきを得た。
今回はKGの知り合いの女性2人組も我々のツアーに同行することになった。赤ちゃん(Kikoの一家)なども含め、総勢14名という大人数での移動。
さて、飛行機に乗る前にチェックイン(搭乗手続き)をしなくてはいけない。メンバーそれぞれグループに分かれて空港係員の言われるがままにカウンターの前に並ぶ。しかししばらくしたら先頭にいたKGが「ここじゃないらしい!」と叫びだし、一同別のカウンター前へ。しかしそこもチェックインをするところではないらしく、結局カウンターの端っこにあったマシーンにチケットを挿入してチェックインを済ますという、なんともハイテクなものだった。しかし時間がもうかなり押し迫った状況だったので、かなり慌ててのチェックインとなった。
旅行者は各自機械にチケットを通すわけだが、前述の通り時間がなく、団体行動では無くほとんど個別にその作業をすることによって時間短縮をはかった。
Luisがチェックインをなんとか済ませ、残るはPaco夫妻。Pacoは「どうやればいいのかな?」とLuisに尋ねるものの、かなり慌てていたため適当にやり方を指示した。そして「じゃ先に行っているよ!」ということでその場を離れたのだが、それが第一のハプニングへ繋がるとはその時思いもしなかった。
・・・慌てて出発ゲートに下り、飛行機への送迎バスに滑り込みセーフ!人数の多いKiko一家もギリギリセーフ!そこでバスのドアが閉められ飛行機へ向かって動きだした。
ところが、最後にチェックインを済ませたはずのPaco夫妻が乗っていないことに気付いたメンバー。すぐに携帯電話で連絡をとるものの、信じられないような返事が返って来た。
「まだカウンターの前にいる。チェックインが出来なかった!飛行機に乗れない!」
これは一体どういうことだろう?
バスが飛行機に横付けされ、乗客はそれぞれ機内に乗り込むわけだが、事情を説明してもらうべく空港係員に詰め寄るKGとLuis。GGという一つのファミリーにとって、これは一大事である。
空港係員いわく「ほんのちょっとの差で機械が受付を締め切ってしまったのだと思います。」
そういうことなら人間がなんとかして対応して、飛行機に乗れるようにしてほしい、と嘆願したが、結果、それはNOということだ。これほど理不尽なことはないと、あくまで主張を曲げない2人だったが、無情にも時間通り動き出す飛行機。とても残念な気持ちでの出発となってしまった。
・・・落胆するGGメンバーにグッドニュースが入ったのは飛行機が滑走路を移動し始めてすぐのことだった。
「ただいま飛行機のエンジン部に不具合が発生したため、一度戻ります。」との機内アナウンスが入ったのだ。「おお!これで彼等も乗ることができるかも!」と希望の光が見え始めた。機内では電話が出来ないため、飛行機が整備の為に止まった段階で電話を入れる。
しかしこれまた信じ難い返事がPacoから返って来た。
「キレちゃいました!」
普段温厚な彼がキレるとはよほどのことがあったのだろう。なんでも警察沙汰になってしまったらしい。空港係員の話によると「そういう乗客は同じ飛行機に乗せることはできない。」ということだ。それはおかしな話だと再び詰め寄るKGとLuisだったが、どう言うわけか別の飛行機なら大丈夫らしく、結局、彼等2人は宮古島直行ではなく、那覇経由の夕方宮古島着の便を確保できたらしく夜のライブには間に合うということだ。
しょっぱなから山あり谷ありで手に汗握る展開だが、とにかく参加メンバー全員が宮古島に行けるのは間違いないようだ。
我々の飛行機は3時間遅れで東京を経ち、昼過ぎに宮古島へ到着することになった。航空会社の融通のきかない対応や整備ミスに対して抗議するわけでは無いが、これから始まる楽しい旅行気分が台無しになってしまったのは言う間でも無い。
FMみやこでリベンジ!
さあ、気を取り直して、宮古島到着!しかし運悪く曇り空で風も強い。それでも涼し気な心地よい気温で緊張した気分もようやく緩やかになってきた。
しかしここでまたハプニングが発生した。Kikoの長男、斗仁衣乃が体調を崩し、病因送りになってしまったのだ。あとで分かったことだが、なにやらウィルス性の胃腸炎にかかってしまったらしい。幸いにも大事には至らなかったようだが、長時間の飛行機搭乗中に油断した幼い体に妙な病原体が侵入したことも考えられる。
Kikoは家族とともに宮古島の病院へ付き添うことになった。
さて、空港へ出迎えに来たのは前回のライブでもお世話になったライブハウス「Beema-Beema」の店長日置さんとキーパーソンのさやねえだ。(詳しくは前回の遠征レポートを参照)一同は予約しておいたレンタカーでライブハウスに向かった。
久々の宮古島ライブ会場。「帰って来た・・・」という感じがして、いきなり感慨深くなってしまった。
ウェルカムドリンク(オリオンビール)を飲み干し、早速機材の搬入とセッティングにとりかかる。いつもみたいに時間に追われての準備ではなく、のんびりと余裕を持って組み立てていった。最近新たに購入したPA機材を巧みに操作するグレートアドバイザーMario。彼がいなくては何も始まらない。
一通り準備を終えて、一行は車で街の郊外にあるFMみやこ放送局へ。郊外と言ってものんびり走って15分くらいのところ。森と泉に囲まれたステキな場所だ。2度目のFMみやこ出演。はじめて来るメンバーにとっては当然はじめての経験だ。
DJブースには前回と同じコワモテのファットボイスDJ氏の姿が。挨拶もほどほどにすかさず室内のマイクの前にそれぞれ陣取る。前回はマイクの前の椅子に座って、なんだかかしこまった雰囲気になってしまったので、今回は基本的にスタンディングプレイで行うことにした。
それと、前回、DJ氏が我々のことを「ジプシーグループス」とかなり無理のある呼び方で呼んでいたので、その点を指摘するとすぐに修正・改善を意味する返答を頂いた。
さて、CMが終わり、番組に主導権が渡ったと同時に「GO!」サイン。PacoがいなかったのでLuisとMarioが代わりにリードギター役をつとめ、演奏開始!よく慣れ親しんだオリジナルの曲「Ole y Ola」をおもむろに披露した。慣れなのか心構えなのか、前回のような緊張感はさほどなく、いつものようにノリノリで演奏することができた。
「イッッエーーイイ!」とDJ氏が吠え、我々を紹介。今度はちゃんと「ジプシーグルーヴ」と言えたようだ。軽くトークを交え、2曲目を演奏。比較的やりやすい「Bamboleo」をオン!いい感じのノリが味わえたことだろう。再びトークに戻り主にLuisがしゃべる。今回はトークを少なめにして曲を多くするという方針らしく、最後にもう一曲披露することになった。勢いにのってオリジナルの「Mirando Estrellas」を演奏した。
「イッッエーーイイ!ありがとうございましたー!ジプシーグループスのみなさんでしたー!」
おいおい、戻ってるよ。
何はともあれ、2度目のFMみやこ出演を果たし晴れ晴れするGGメンバーであった。
ライブ1日目・狂乱の極み
ラジオ出演後、各自宿に戻りしばしの休息を得る。
夜、再びライブハウスに集結。ステージ近くのテーブルに陣取り、まずは乾杯。
しばらくすると、聞き覚えのある声が聞こえてきた・・・。Paco夫妻到着だ!いろいろあったがようやく再会することができた。とにかく乾杯!
話を聞くと那覇でも飛行機が遅延して到着が遅れてしまったらしい。また、羽田での「事件」も話しの食い違いがあり、いよいよ航空会社への不信が募る一方であった。
まあ、いやなことは忘れて今宵は宴を存分に楽しもう。
メンバーはそれぞれステージにあがり、楽器やマイクのチェックをすませ、突如演奏を始める。1曲目は確か「Rumba Bohemia」だった気がする。最近のGGのオリジナル曲だ。客席を見るとそれなりに席が埋まっている。はじけたい地元民とたまたま迷い込んだ旅行者が程よい割り合いでミックスされている。
1曲目だけでは若干のうねりが感じられただけで、まだまだこれからという感じだが、曲を重ねていくごとに、徐々に空気が熱くなるのを感じた。
そしておなじみの「Volare」を演奏すると、待ってましたと言わんばかりになだれのように客席方面より絶妙なダンシング攻撃を受けることになった。踊りのタイプからして地元の人々なのだろうと思うが、その狂いっぷりもたいしたものだ。ステージ付近へつめより、演奏者にとっても脅威となった。しかしお客さんがこれほど盛り上がってくれるとこちらもそれに比例して熱が入り、いいプレイができるというものだ。
それにしても気付いたらまだ第一部。会場は既に「出来上がった」客で埋め尽くされており、我々に休ませる暇を与えてくれなかった。
一応休憩を入れ、水分や食料を補給するが、雰囲気的に「早くヤレー!」という感じだったので、だらだらせずにすぐに第2部に突入した。
このころよりギターおよびハレオ担当のKikoが復帰。宮古に着いた早々家族の病院付き添いなどで疲労が増していた彼にとってライブはまさに絶好のストレス発散となることだろう。
第2部はまた初めからオーバーヒートぎみで演奏することで、お客さんのテンションをギアチェンジ&シフトアップさせる。というより、泡盛が各体内に充満しているため、自動的にテンションが上がるような体制が出来上がっていたとも言えるだろう。
1ステージ50分くらいで約9曲を演奏するのだが、そのほとんどに関して宮古島民によるダンスフィーバーが花を添えてくれた。通常速いテンポの曲でノリに乗った時、体が揺れるものだが、もはや思考回路がストップした彼らにとって、どんな曲をもダンスの対象にしてしまうことが分かった。
例えばオリジナル曲の「Gipsy Road」の前にリードギターPacoのソロプレイがあるのだが、そのメロディーにあわせて社交ダンス的な舞を見せる人々さえ現れたほどだ。東京では見られない光景にGGメンバーも次第にはまっていった。
第2部もあっという間に終わり、しばしの休息後、今度は流しスタイルで各テーブルを回ることにした。前回のライブでは思いつきで各テーブルを「流し」たのだが、今回は意図的に盛り上がってきたお客さんを更に興奮させるべく、密着したコミュニケーションを図ることにした。
「Volare」や「Bamboleo」「Djobi Djoba」などのノリノリジプキンナンバーを次々に炸裂し、お客さんはもとより店の従業員を含むすべての人の心をヒートアップさせるに至った。
間髪をいれず、怒涛の第3部の始まり。
このころになるとメンバーもみな既にクレイジーモンキー。Pacoはいつものように狂人ぶりを発揮するばかりか、何かしらオーラのようなものも感じた。おそらく今日の飛行機乗り遅れ事件でかなりのストレスがたまっており、それが見えない気合となって現れたのだろう。
ギターをゴルペする勢いがいつにも増して激烈だった。
他のメンバーもPacoにつられるまでもなくそれぞれの「狂気」ボリュームを上げていった。
普段は演奏に夢中で踊りどころではないPerryも自慢のペリーダンスを披露。たぶんギターのコードを間違えまくっていたことと思うが、そんなことはお構いなしだ。
ストレス発散中のKikoも自らステージ前へ踊り出て、味のあるバイレを繰り広げていた。日ごろ本場のジプシーたちの演奏風景を研究している彼だけに、その踊りも意外と上手だった。負けじと私Luisもギター片手に珍妙なダンスを披露した。
普段パフォーマンスに乏しいSayaとMarioでさえも微妙な横揺れをリズムに乗せて起動させていた。
ボーカルKGは迫り来るお客さんのウェーブ現象にひるむことなく、地響きのようなはちきれヴォイスを脳天から搾り出しているかのようだった。
最後のほうになるとお客さんの方の理性が失われ、曲中なのに「アンコール」が巻き起こるほどだった。
ラストを飾る曲「Buenas Noches」は曲の途中でブレイクし、メンバー紹介をする仕掛けになっているのだが、少しでもメロディーがストップすると「アンコール、アンコール!」とハイエナのように群がる偉大なる酔っ払いたち。「まだ終わりじゃないっつーの!」と客にツッコミを入れるKG。
1日目からものすごい勢いでライブが行われたが、とにかくお客さんの熱い魂(というよりは酔っ払い魂)に後押しされて、大盛況のまま終演を迎えることができた。
2日目・事件発生
真夜中までライブが行われた1日目が終わり、宮古島のゆったりとした時間の流れに身をまかせ、2日目の朝を迎えた。飲みすぎたメンバーはそれぞれ「うっちん茶」(ウコン茶)を飲むなりして自主的に酔いを覚ますことにした。
昼過ぎに集合したメンバーを含む団体一行は車で名物のソーキそばや宮古そばなどを食べに穴場の食堂へでかけた。前回の来島時にも立ち寄った「中身重視」のワイルドなお店だ。
無造作に置かれたテーブルと椅子、粗末で飾り気に乏しい壁に囲まれた、どこか懐かしい感じのする食堂でそれぞれ沖縄料理に舌鼓を打つ。
続いて訪れたのは宮古島の東端と思われる東平安名崎という観光スポット的岬。
風が強かったが晴れ間も見え始め、美しく透き通った海と光まぶしい太陽の贅沢なコラボレーションを存分に味わうことができた。
さらに次に訪れたところは、前回も好評だった吉野海岸という隠れた名所。
あまり観光開発もされておらず、夏のシーズンでも人出が少ないくらいだから、冬のこの時期に訪れた我々にとってはまさにプライベートビーチそのものだった。
このころには晴れ間も消え、風が強く、肌寒い感じもしたのだが、せっかくだからと持参した水着とウェットスーツを着込むKG、Luis、Perry。仮にGGマリーンチーム3人衆と名づけておこう。
KGはなぜだか緑色のスーツを着用しているため、皆から「カエル」だの「カッパ」だの呼ばれていたが、準備体操する姿はまさに「ケロッコデメタン」を感じさせるものがあった。
見た目は寒い海っぺりから、思い切ってダイブすると、そこにはこの世のものとは思えないほど美しい海の世界が広がっていた。天気が悪く透明度は若干落ちているはずの海中だが、色とりどりの魚や珊瑚に魅了され、改めてこの島の自然の豊かさを感じたものだ。
車で再び市街へ戻り、宿に戻って休憩を入れ、2日目のライブに望むため「Beema-Beema」へ向かった。1日目と違い、少し客層も異なっているようだった。
1日目はとにかく踊り狂いたい人々が群れをなしていたのだが、2日目はどちらかといえば、ゆったりじっくり聞きたい人々が多かったように思える。
前日との違和感に戸惑いつつも、とにかくいつもの勢いでライブ開始。1部、2部と割合落ち着いたムードで進んでいった。
第1部に新メンバーとして登場したのがKikoの息子Toninoだ。前日の体調不良から復帰し、得意げにマイクをあやつる彼の姿は将来の大物を思わせるものがあった。ギターの代わりにウクレレなどの小さい楽器を手に持つなりして、もはやメンバーの一員として認められつつある。しかし古来からの「良い子は早寝早起き」の教え通り、1部終了と同時に勇退する。
さて、会場の様子は、と言うと・・・お客さんの入れ替わりも何度かあり、底抜けの盛り上がりに達するには程遠いものがあった。前日よりさらにハードになるものと予想していたメンバーにとってはちょっとした拍子抜け状態である。
2部終了後、景気付けに「流し」をやろうということになり、前日と同じように各テーブルを巡りめぐって、会場のヴォルテージを徐々に上げていくことにした。
よくフラメンコは「アート」だといわれるが、ジプシールンバは一方で「エンターテイメント」と位置付けてもいいだろう。そういう我々は「エンターティナー」なわけだから、お客さんを楽しませなければいけないという潜在的な使命感のようなものがある。
自分たちも楽しみ、それを鑑賞している人も楽しい、というのが理想である。
ボーカルのKGやギターのPacoはその最たるもので、とにかく会場を盛り上げるべく奮闘するのであった。
旅行者らしきカップルがカウンター付近に座っており、2人の世界を作っていたのだが、KGの脅威はそこら辺にも及んだ。結果、半ば強引にカップルをGGワールドに陥れることに成功した。
さて、その勢いを保ったまま第3部に突入。速いテンポの曲とゆっくりのテンポの曲をバランスよく放出していった。
ゆっくりな曲の代表格としてジプシーキングスの「Un Amor」があるが、それを演奏中にまたハプニングが発生した。
曲に集中していたメンバーは最初気付かなかったのだが、ふと前方に目をやると、人が一人倒れていた。異常事態発生に急遽ライブを中断。医療関係に詳しいPacoの指示でそのお客さんを横にさせ、症状をうかがう。Pacoに言わせれば「かなり危険」な状態だったらしく、救急車を呼ぶことになってしまった。そのお客さんは我々の演奏をじっくりと聴いていてくれていたが、ついつい酒が進んでしまったのだろう。大事をとって病院へ行って頂くことにした。
さて、急激に冷めてしまったライブフィーバーをいかに復活させるか。今回のライブの正念場だ。ひとまず休憩を入れ、「第4部」と銘打ってライブ再開。今度はもうどうでもいい、狂ってしまえ、という勢いでノリノリのナンバーを立て続けに演奏した。すると、前日に狂乱していたお客さんの一団が入ってきてくれ、踊り始めた。また、程よく酒のまわった外国人のグループも入ってきて、何人かがその輪の中に加わった。人数こそ少なかったが、前日のようなノリをどうにか取り戻すことができたように感じた。
ライブもいよいよ大詰め。「スケジュール上」ラストの曲を演奏したあとに、まだ納得いかないというお客さんから「アンコール」の嵐。少し間をおいて「Tristeza」という哀愁系高速ルンバを演奏した。あまりアンコール時に演奏したことのない曲だが、ストレートで心憎いジプシールンバの真骨頂的ナンバーである。
そんな熱いメロディーを奏でているときにまたまたハプニング発生。
突然お店全体の電力が失われ、あたり一面真っ暗闇、音響機材もその威力を失ってしまったのだ。
0.5秒ほど心の動揺と精神的たじろぎを感じたが、プレイをストップすることなくそのままスピーカーなしで演奏しつづけた。一瞬、映画「タイタニック」の一場面を思い出してしまったが、会場全体は大笑い。むしろこの異様な雰囲気に酔いしれてしまいそうだった。お店のスタッフは電力の回復に躍起になっていたが、一方で演奏をやめないGG。一瞬点灯してまたパッと消えて、という状況がしばらく続いたのだが、それがディスコやダンスホールなどに見られる怪しげなスポットライト効果を生み出す結果となってしまった。
ある種の心理的高揚を感じてしまったGGメンバーは、電気が復活したときには既にいい按配の狂気に達していた。明るさと音量を取り戻した会場は気分的にも明るさを取り戻し、1日目に負けないくらいの熱さで充満していた。アンコールが来る前から次々と勝手に曲を演奏するありさまだ。1日目はお客さんが狂っていたが、2日目は演奏者が狂っていた。
夜もふけ、心地よい疲労と眠気が徐々に迫ってきた段階でようやくライブも終了。最後はなぜだか、店内にある木のオブジェの周りをインディアンのように雄たけびを上げながらくるくる回るGGの姿が見られた。これは何の意味があったのだろう?
とにかく終わりよければすべてよし。
さまざまなハプニングに見舞われた今回の宮古島遠征ライブもなんとか楽しく終わることができ、結果的には満足のいくものとなった。
余談:最終日の珍事
ライブも終わって3日目はゆっくり観光しながらお土産でも買い、宮古島を堪能しよう、という計画があった。
また、店のマスター日置さん率いるビーチバレーチームが試合に参加するというので、応援しにGGファミリー一行は車で前浜という美しい砂浜に繰り出した。
そこでまたハプニングというか、珍現象。なぜか「Beema-Beema」チームに「Paco」の名前が。
実は昨日のライブ終了後に飲んでいる席で「僕は昔バレーボールやっていたんですよー」と得意げに話していたPacoを、日置さんが勝手にメンバー登録してしまったのだ。
少々ひるむ姿も見せたが、負けず嫌いな彼は急激に気合を高め、アグレッシブに裸足で砂浜をダッシュし、チームの一員として練習の輪に加わっていた。他のGGメンバーはそんな様子を苦笑を交えながら応援することにした。
試合開始!やたら気合が入っていて声だけ馬鹿でかいPacoは、実際体がついていってなかった。なかなか笑える光景だったが、彼のタフさと精神力の狂人さ、否、強靭さには恐れ入るものがある。今回の遠征で主人公は誰だと聞かれたら「Paco」ということで満場一致するだろう。
試合はボロボロに負けたが、またひとついい思い出ができたというものだ。
そのあと前回も訪れた民芸品店を再訪し、店員と談笑するGGメンバーたち。そこの店員とは仲も良くなり、お礼として生演奏をプレゼントしてあげた。ちょうど天気もよかったので、美しい海が見える丘の上に移動して演奏を行う。彼もきっと喜んでくれたことだろう。
ゆったり食事をしたりのんびり買い物をしたりして宮古島最終日を満喫し、夕方の便で島ともしばしの別れ。
おそらくこの調子じゃ毎年少なくとも1回は宮古に来るんだろうなー。早くも次回が楽しみである。